英語通

正しい英語の発音練習法 発音記号から学ぶ

効率的な英語の発音練習法


英語の発音は正しく勉強しないと中々改善されません。発音練習として最も多く行われている、英文を聴いてそれを真似して発音するという練習は、実はそれだけでは、あまり効果がありません。いきなり長い文章を聴いても、音を聴いた時点で英語がカタカナに変換されて認識されるので、きちんと発音する事はできないのです。

そのため、こういう練習を続けてきた方は、自分では上手くできているつもりでも実際の英語の発音とは程遠いものになっている可能性もあります。聴いた英文を真似して発音する練習は、上級者レベルの方が行うべき、いわば応用段階の練習で、初心者がいきなりやってもあまり意味がありません。

まずは、発音記号をしっかり勉強し、発音の基礎となる母音、子音の一つ一つをしっかりと練習する必要があります。基礎となる母音、子音が分からないのに、いきなり英文を正しく発音できる訳がないのです。きちんとした発音を習得するためには、しっかりと段階を踏んだ練習が必要になります。

発音練習が大切な理由」の中で詳しく書きましたが、日本人の英語の発音はかなり酷く、そのままでは、複雑な会話を成立させる事は困難であり、発音練習は不可欠です。また、発音が良くなれば、リスニング能力も飛躍的に向上するので、発音練習は非常に重要です。

発音練習には地味で地道な努力が必要になりますが、正しい方法で練習を行えば、誰でもしっかりと通じる英語の発音を習得する事が可能です。ぜひ時間をかけて発音を磨いてください。

なお発音は、自分自身では把握しにくいものです。これから説明する発音練習する際は、ときどき自分の声を録音してチェックしてみると更に効果的です。


1.一つ一つの発音記号を覚える


まずは、英語の全ての母音、子音をしっかり覚えて、それぞれを正く発音できるようになる必要があります。この練習を行わない方が非常に多いのですが、これを行わない限り、正しい発音は絶対に手に入らないと考えて良いと思います。

各母音、子音の発音の仕方を詳細に説明している本、サイトを読んで、できる限り正しく発音できるように練習してください。私の読んだ中では「英語耳」という本が一番分かりやすかったのでオススメです。

英語の発音・リスニング練習の本「英語耳」の写真。

各母音、子音を単体で読む練習と、それらを含む単語を正しく発音する練習を繰り返してください。

なお、日本人は、子音の後に勝手に適当な母音を足してしまう癖がありますので、しっかりと子音単体でも発音ができるように練習しましょう。

母音、子音は、発音の基礎であり、最も重要な部分ですので、かなり念入りに練習してください。とりあえず発音記号を見れば、発音の仕方が一瞬で思い出せるようになり、母音、子音がゆっくりであれば聴き分けられるようになるまでは練習して頂きたいです。

2.音の変化の練習


英語では、ある単語の最後の子音と次の単語の最初の母音が繋がったり、同じ子音が連続する時に、1つ目の子音を発音しないといった音の変化が頻繁に起こります。

ネイティブがある程度早い速度で、力を抜いて楽に話そうとすると自然とこういった音の変化が起こるのです。日本人からすると、音の変化を多くした方が英語らしい英語に聴こえると思います。しかし、いつもこのような話し方を真似して話すのは良くありません。

音の変化の多い話し方は、力を抜いたカジュアルな話し方ですので、フォーマルな場面には適しません。まずは、しかっりと発音するフォーマルな話し方を練習した方が無難です。

とは言え、音の変化を全く知らないと、リスニングの時に全く聴き取れずに困ってしまいますし、フォーマルな場面でも多少の音の変化は起こりますので、覚えておく必要はあります。そこまで入念に練習しなくても良いので、ざっと音の変化のルールを覚えましょう。基本的な音の変化のルールは5個程度しかありませんので、それほど覚えるのは、大変では無いと思います。

音の変化についても本やサイトを参照して、実際に発音しながら覚えてください。これも「英語耳」に分かりやすく載っていますので、オススメです。

3.発音記号を書き出して英文を読む 


次は、まとまった文章を正確な発音で読む練習をしていきます。

最初にインターネットか本で、音声が付いている英文を探します。まずはゆっくりめの音声が付いている「VOA special english」というサイトにある英文を使うのがおすすめです。

まず、文章を印刷するか、手書きで書きだします。その際、各行の下に少しスペースを空けるようにします。各単語の発音を辞書で調べ、発音記号を各単語の下に書いていきます。あまり長いと大変ですので、全文では無く、30秒間くらいでキリの良い所までを使います。これで下準備は完了です。

まず英文の音声を聴きます。次に、書き出した発音記号を見ながら、発音していきます。最初の練習を思い出し、正しい発音ができるように心がけてください。

この時に重要なのは正確に発音する事ですので、ゆっくり丁寧に発音してみてください。母音、子音を正しく発音するように意識しないと練習の効果が出なくなってしまいます。

何回か発音して慣れてきたら、発音記号では無く、英語の文章を見ながら発音してみましょう。この後は、「音声を聴く」、「発音記号を見ながら発音する」、「文章を見ながら発音する」というサイクルをひたすら繰り返します。

同じ文章で少なくても50回、お手本の音声と同じくらいのスピードで正しく発音できるようになるまでは繰り返してください。

その後、また新しい文章を使い、同じ事をやっていきます。慣れてきたら、「VOA special english」よりも早い自然なスピードで発音されている音声の付いているものを使い、練習していきましょう。

色々な文章でこの練習を行えば、発音が良くなるのはもちろん、英語のスペルを見ただけでも発音が分かるようになってきます。

4.会話の中で発音を意識する


最後は実践練習です。実際の会話の中で正しく発音できているか意識するようにしてみましょう。練習中はしっかりと発音できていても、実際に話す時は昔の発音に戻ってしまっているという事は良くあります。発音は意識していかないと中々改善されないものです。

ただし、発音を意識するのは、会話がスムーズにできるようになった後からにしてください。英会話で最初に重視するべきなのは会話のスピードです。初級レベルの内は発音を意識しすぎると、会話のスピードが遅くなってしまうので、あまり気にしないで大丈夫です。

余裕があれば、音の変化を多くしたカジュアルな話し方にも挑戦してみましょう。話す事だけ考えれば、あえてカジュアルな話し方を練習する必要は無いと思いますが、リスニングの事も考えると練習すべきです。

自分で発音できるようになるとリスニングもできるようなるので、カジュアルな話し方ができるようになると、カジュアルな会話を聴き取れるようになってきます。

音の変化の多いカジュアルな話し方は、日本人には非常に聴き取りにくく、聴き取れるようになるには、同じように発音する練習をする事が最も効果的です。映画の中の台詞を聴き取りたい、洋楽をもっと聴き取れるようになりたいという方は特にこういった練習が必要になってきます。