日本人が英語・英会話を苦手な原因 英語力を向上させるには?
日本人は英語が苦手?
日本人は英語、特に英会話が苦手と言われています。
日本人は英語、特に英会話が苦手と言われていますが、本当のところはどうなのでしょうか?
まずは、国別の英語力を測る様々な統計を見てみましょう。
2005年TOEIC平均点数:26カ国24位
2009年TOEFL平均点数:アジア30カ国中28位
2007年IELTS平均点数:20カ国中16位
2012年国際教育機関「エデュケーション・ファースト」による英語力調査:54カ国中22位
これらの統計は、受験者層に偏りがあるため、どれだけ実際の国別英語力を反映しているかは微妙なところですが、やはり日本人の英語力が低い方である事は間違いなさそうです。
英語の能力の中でも、英会話は特に日本人の苦手とする所で、ほとんどの人が英語をカタコトでも話せないはずです。
学校教育で相当な時間、英語を学習しているはずなのに、日本人は何故ここまで英語が苦手なのでしょうか?
今後英語力を向上させていくためにも、まずは、日本人が英語を話せない、英語ができない原因を整理してみましょう。
1.地理的要因
まず第一に上げられるのが地理的要因です。日本の近くには、英語圏の国がないのです。
日本人が英語圏の国に語学留学しにくいには、それなりの決意が必要です。高額な交通費、往復にかかる時間の長さ等を考えれば当然です。ですので必然的に語学留学をする人が少なくなり、英語力が低くなる訳です。
もし英語圏の国が近くにあれば、極端な話、平日は普通に生活して、週末だけ英語圏の国で語学留学という事だって可能です。これは大きな差です。
また、地理的に近い所で使われている言語は、言語の特徴が似てきます。近くにある国ほど交流が盛んであり、物の輸出入があれば、言語の輸出入も同時に起こります。
日本の場合は、中国と交流があったために漢字を使うようになりましたが、英語圏に近いヨーロッパでは、ほとんどの国でアルファベット(もしくはそれに似たもの)が使われています。
このように英語圏が遠いため、日本語と英語の間で言葉の輸出入が無かったため、2つの言語全く違う特徴の言語なのです。そのため日本人にとって英語は難しいのです。
2.文法の違い
違う言語間では、文法が違うのは当然なのですが、日本語は英語から最も遠い文法を持つ言語の一つだと思います。
文法ルールの違いの中でも最も問題なのが「語順」です。英語と日本語では、語順が全く違います。そのため日本語で文章を考えて、それを英語に変換していくという作業が困難なのです。短い英文くらいなら、日本語を英語に変換という方法でもなんとかなりますが、長く複雑な英文となるとかなり厳しいです。
ですので、長い英文を頭の中で作るには、初めから英語で考えられるようになる必要があるのです。そして、これができるようになるには、相当な練習が必要です。
3.発音の違い
日本人が英語を習得する上で大きな壁となるのが英語の発音です。英語圏の人なら、一日もあれば、それなりに日本語の発音ができるようになり、日本語の全ての母音、子音を聴き分けられるようになると思います。しかし、日本人が英語を正く発音したり、聞き取れるようになるには、相当な努力が必要です。
まず一番の問題は、日本語の方が発音の数が少ない事です。日本語の母音は5個なのに対し、英語は20個、日本語の子音16個に対して英語の子音は24個で、日本語の方が発音の数が少ないです。(母音、子音の数は数え方により多少変わります。)
英語の母音は「イ」と「イー」のように短く発音する母音と伸ばして発音する母音を違う母音として数えたりもしているため、単純に日本語の母音数と比較する事はできませんが、それを考慮しても英語の発音の数の方が多い事は間違いありません。
単純に考えても、日本人が英語をまともに発音できるようになるためには、少なくともこの足りない分を0から習得する必要があります。逆に英語圏の方が日本語を発音する際は、ただ単に使う発音の数を減らすだけでも、それなりの発音ができてしまいます。
また、日本語では、子音を発音する時は必ず母音とセットになっていますが、英語では子音だけで発音する事も多いです。日本人が子音だけを発音できるようになるには、練習が必要です。
以上の理由により、日本人が英語を正く発音する事、聴き取る事が難しいのです。
なお、一時期「日本人が英語を聴きとれないのは、英語の方が周波数(音程)が高いため」という考え方が注目を浴びていましたが、最近ではほとんど否定されています。この考え方はトマティス理論というものに基づいているのですが、この理論自体が周波数の測定法など不明確な点が多く、信頼性に欠ける理論でした。
英語の方が子音を長く発音し、子音の方が周波数が高いために、英語の方が周波数が高いと言われたようですが、日本語も英語も母音の周波数はほとんど同じです。したがってこの理論が正しいなら、日本人は、母音の違いは簡単に分かるはずですが、実際にはそんな事はありません。
この理論に基づいて、英語と同じように音域の高いクラシック音楽を聴いていれば、英語が聞き取れるようになると言われていましたが、効果は期待できません。
4.学校教育の問題
日本の学校教育は文法の勉強ばかりに偏りすぎています。文法は、ほとんど使う機会がないものや、かなり細かいルールまで教えていますが、実際に習った文法をスピーキング、ライティングで活用する練習の時間は少ないです。
ですから、習った文法が「知っている」止まりで、「使える」ものにならないのです。日本人が英語を話せないのも当然と言えます。
また、日本の英語教師のレベルが低すぎるというのも問題の一つです。残念ながら中学、高校の英語教師の中でまともに英語を発音できる方は半数もいません。これでは、生徒達の発音も良くなるはずがありません。
5.日本に外国人が少ない
日本は外国人の受け入れが少なく、日本にいる英語のネイティブスピーカーの数は、かなり少ないです。しかも、その多くは、英会話教室の先生や学校のALTとして日本に来ていますので、なかなか一般の人が知り合う機会がありません。
友人にもしアメリカ人がいれば、それだけで英語に対するモチベーションも上がります。それに英会話も直接教えてもらえるかもしれません。しかし、外国人が日本に少ないためにそういったチャンスが少ないのです。
6.日本人の性格
日本人の国民性も日本人が英会話を苦手な理由の一つとして考えられます。日本人の性格として、「人前での失敗を極端に嫌う」、「シャイ」等が挙げられますが、どちらも英会話を習得する上での妨げとなります。
「間違える位なら発言しない方が良い」と考える方が多いですが、それでは、発言する機会が減り、英会話を上達させる事ができません。初心者がいきなり完璧な英語を話せる訳がありませんので、「間違えてもいいので、どんどん発言する」という気持ちを持つ必要があります。
また、特に子供に多いのですが、英語を上手く発音するのが恥ずかしがって、わざと日本語と同じ発音で通そうとする傾向があります。発音は若い時ほど習得しやすいので、これは非常にもったいない事です。
7.英語力を向上するためには何が必要か?
今まで挙げたように日本人が英語を習得するには、不利な点が多く、日本人の英語のレベルが高くない事は事実です。しかし、日本人の英語に対する苦手意識はそれを考慮しても異常に強いです。
そのせいで最初から諦めてしまったり、現在の英語力の低さを恥ずかしく思って、英語で話したがらなかったりして、苦手意識自体が英語力を向上させる邪魔をしているように思います。
日本人の中には「世界中どこにいっても英語は通じる」、「英語が話せないのは日本人だけ」といったイメージを持つ方が多いですが、これは全く事実と異なります。
おそらく誇張された英会話教室のCM等によって、こういったイメージが植え付けられてしまったのだと思います。しかし、日本人が思っているほど、誰もが英語を話せる訳ではありません。
実際は、英語が得意なイメージのあるヨーロッパやカナダにさえ英語を話せない方は沢山います。(カナダにはフランス語圏があります。)しかも、英語が話せるという方でも、文法、発音等がメチャクチャである方が多いです。
現在英語が話せなくても恥ずかしがる必要はないです。英語圏に住んでいないのだから、初めから英語が話せる訳がないのです。
それに、日本人が英語と相性が悪いからと言って諦める事はありません。合理的、効率的な勉強法を選択すれば、海外留学をしなくても短期間で英語力を向上させる事は可能です。
特に英会話は、間違った勉強法をしていると、いくら時間をかけても上達していかないので、正しい勉強法を選択する事が重要です。
このサイトでは、安くて効率的な勉強法を紹介していますので、ぜひこちらを参考に英語力を向上させて頂きたいと思います。
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